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今日は保護継電器試験業務をWさんと行う。
・保護継電器試験の教育を受けていない素人の為に次のような問題点が出てきたが、徐々に訓練により改善されていった。(官庁等による立会試験はまだ無理だが、民間は何とか)
1.試験器と保護継電器の結線接続と切り離しの順番が守られない。(電力会社の場合は、DC回路、VT、CT回路の活線は常識なので順番を守る癖をつけていないと事故の元になるので点検応援依頼が出来ない。)
2.試験電流を流す時間が長い。動作点近くまで素早く移動させて動作点付近は一定のスピードで上昇させる。 常に左手はOFFボタンを押す体勢をとり、動作にてOFFさせる。
美祢CC太陽光グループなどは体に染みついているので常に試験OFFが出来ている。
3.試験レンジの選択。
測定値以外の印加条件はあくまでも目安である。(保護継電器の特性を理解していない、理解してから試験をすること。)
需要家のDGR、SOGなどの条件は大まかでも問題ないことが特性を理解していれば解る。
電力リレー、インピーダンスリレー、界磁喪失継電器などは印加条件は必須。
動作電流を測定する場合に、電圧は小数点以下まで正確に、また位相角も小数点以下まで正確に設定する。 正確な測定で界磁喪失継電器の不良を過去に発見出来た。(位相角を1°ずらせばメーカー管理値に入るが。不良判定でメーカー送り、メーカーにおいても不良判定。MITSUBISHI メルプロダッシュ)
4.保護継電器試験員の経験者が少ないので自己流の操作が目に付く。
Fプロがエヌエフ回路設計ブロックRX4744を修得したいと話していたが、基本が出来ているかチェックさせて貰いたい。入会時は絶対の自信があると豪語されていたと聞く。
5.試験器「電流整定」を使うミスをする。
CTT印加のため配線インピーダンスが含まれるので、実整定をしないと意味が無いことが理解出来ていない。
6.電流調整のスライダック移動、動作がスムースに一定スピードで無い。
経験と練習により修得する。
7.抵抗短絡レンジ使用時には電流波形は歪むことを理解しての試験が必要。
※ 水抵抗や無歪み試験器は除く。
抵抗短絡では瞬時要素の時間測定は問題ないが、瞬時要素の動作値測定などはあくまで誤差のある目安として試験する。
8.デジタル表示試験器(DGR-5000KD)の使用レンジ
アナログ計器誤差は、FSに対するがデジタルの場合は、rdgとなる。(dgtも有り。)
条件設定の場合は、試験者の力量で選択する。 測定値を読む場合は、dgtもあるため低いレンジが正確になりやすい。また、変化量も少なくなるので測定精度も増す。
9.試験する保護継電器盤の三線結線図とシーケンスは理解して行う必要がある。
客先の要請もあるが、現行の使用前自主検査及び使用前自己確認方法の解釈では単体試験を求めていない。
シーケンステストは必須なので試験員は、シーケンス把握は絶対条件と思う。
試験器メーカーも素人に試験器を大量販売するため、試験回路が理解出来ていないまま試験される方が多い。
中には苦労と努力して試験をマスターされる方も大勢いる。基本は出来る限り若いときにくそ文句を言われながらでも体でマスターする。(高齢になると何度も同じ過ちが出る。)
試験による測定結果は試験員の力量が測定結果に出てしまう。
また、試験報告書は試験員の最後の仕上げである。 Fプロが試験結果が見やすい良い報告書を作成していたのが印象であった。流石にプロを自称する内容である。
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